カレシが嫉妬を覚えたら

「俺が中3の時出ていった。他に女作って」

「え……」



単身赴任ではなく、離婚して二度と帰って来ないってこと?


私は衝撃のあまり路上で立ち止まった



「元々単身赴任でいないも同然だったけど、不倫して離婚した。
母さんは仕事が忙しくてそもそも人付き合いがあまりないから、学校の先生以外には誰にも言ってない。名字も変えてないから、誰も知らない」



中学3年生の多感な時期にそんなことがあったなんて。


煌くんは今ではこんなに表情豊かなのに、どうして無表情で無感情な冷たい印象だったのがよく分かった。


そんなショッキングなことがあれば人間不信にもなる。


呆然と立ち尽くす私に、煌くんは「ああ、慧は知ってる」と呟いた。



「母さんもだけど、当然俺も荒れて。現実逃避がしたくて、近づいてきた女を利用することでストレスのはけ口にしていた」



淡々とした口調で過去を語る煌くん。


その無機質な感情の読み取れない声は不安になる。


付き合い始めの頃の煌くんを思い出すから。