カレシが嫉妬を覚えたら

夏祭りは大いに楽しむことができた。

下駄じゃなくてサンダルを選んだから足も痛くないし、煌くんにいっぱい浴衣を褒めてもらえて最高だった。



「遅くなっちゃったね」



花火が打ちあがり、空を覆う色とりどりの鮮やかな閃光と音が止んだあと、私たちはようやく帰路についた。


時刻は21時。私の家は門限はないけど、心配かけたら申し訳ないからメッセージを送っておこう。



「暗いから送っていく」

「帰るの遅くなってお母さん心配しない?」

「男だからそんな心配してないと思う、大丈夫」



確かに男の子のお母さんって夜出かけてもあんまり心配するイメージはないかも。そんなものなのかな。



「そういえば煌くんと中学が一緒の人に聞いたけど、お父さんって単身赴任なんだってね。煌くんひとりで家事もして大変じゃない?」



ふと、お母さんから連想して煌くんのお父さんの話を聞いてみようと思った。


すると煌くんの表情に影が差す。もしかして、お父さんとうまくいってないのかな。




「父親はもう二度と帰って来ない」




ところが、煌くんから発せられた言葉は私の予想を遥かに超えていた。