カレシが嫉妬を覚えたら

両極端な両親に苦笑いしながら家を出たのは午後5時。


自宅があるマンションの外に出ると、煌くんはもう迎えに来てくれていた。



「早いね煌くん、暑かったでしょ」

「浴衣で来るっていうから、待ちきれなくて」



煌くんは私の姿を頭からつま先までじっくり見ると、口元を手で押さえてものすごく小さい声で「……かわいい」と呟いた。



「煌くん?」

「思いのほか刺激が強かった」



想像以上だったのか、煌くんにしては珍しく頬をほんのり紅潮させ浴衣姿を再びじっと見つめてくる。


そんなに喜んでもらえるなんて、頑張ってよかった。


煌くんは今日がよっぽど楽しみだったのか、今日の練習を午前中にしてもらうように顧問の先生に頼み込んだらしい。


しかも「彼女と夏祭りに行きたいので午前練習にしてください」って堂々とお願いしたものだから、みんな爆笑だったとか。


顧問の先生も直球で来られたら否定のしようがないと了承してくれたみたいだ。


そんな煌くんは今、スマホを持って私の姿を何枚も写真に収めている。


鳴りやまないシャッター音をにしびれを切らし、煌くんの腕を引いて会場に向かった。