カレシが嫉妬を覚えたら

「ごめんね、大丈夫だから」



離れようとしたけど、煌くんは私の肩をがしっと掴んで離さない。



「動くな、俺が連れていくから」

「え、煌くん……?」

「暴れるなよ」



暴れるなと念を押すと、空いている腕で私の膝裏に手を伸ばした。


重力に逆らう感覚を覚えたあと、気がつけば視界が反転して、視点が高くなっていた。


まさか煌くんに抱き上げられてる?そしてこれはいわゆるお姫様抱っこの状態では?


言葉も出ないくらい驚いたのもつかの間、その瞬間を目撃した風夏ちゃんと冬斗くんが手を取り合って「キャー!」と笑顔で叫んだのが分かった。



「こ、煌くん、やだ!この体勢やだ!」

「暴れるなって言った」

「……はい」

「バランス悪いから俺の首に腕回して」



必死に抗議したけど敵わず、私は渋々煌くんの肩に手を回した。


煌くんは堂々とした足取りで歩き出し、所々で女の子の黄色い声が上がった。


その中で「待ってどういう状況~!?」と遠くの方から光の声が聞こえてきてちょっと笑えた。