カレシが嫉妬を覚えたら

緊張しっぱなしで心臓の音がうるさいけど、煌くんの表情は私が来た時に比べてずいぶんと明るくなっている。


この調子なら、もう大丈夫かな。



「また何かあったら相談して」

「うん、ありがとう」

「じゃあ、私そろそろ帰るね。これ、少しだけど差し入れ置いておくから。今日はおつかれさま」



正直、これ以上は私の心臓が持たない。


好きな人を膝枕するなんて未知の体験だ。恋愛経験のほぼない私には刺激が強すぎた。


立ち上げろうと動作すると、煌くんは頭をどけてくれた。


だけど立ち上がったその瞬間、手をぎゅっと掴まれた。


振り向いて煌くんの顔を見ると、唇を尖らせて私を下から見つめている。


なにその上目遣い、反則だよ!