カレシが嫉妬を覚えたら

「ゆづ……好き」

「……えっ」



ところが、煌くんは私の脚に後頭部を預ける形で仰向けになると、私の顔に手を伸ばしてきた。


至近距離の愛情表現に戸惑って返答できない。



「それから、こんなに俺のこと考えてくれるのに、今まで向き合おうとしなくてごめん」



涼しい顔をしていた煌くんだったけど、そう言うと困ったように眉をくもらせた。


突然の困り顔に母性本能を鷲掴みにされ、私はぎゅっと胸を押えた。



「いいよ、今向き合ってくれてるから。それより煌くん、情緒不安定……?」

「下がり眉がかわいい」



あまりに煌くんの表情がコロコロ変わるから、メンタルは大丈夫なのだろうかと不安になった。


真剣に心配したけど、煌くんはいつも通りの穏やかな笑みで私を見つめていたから、心配するのはやめた。