カレシが嫉妬を覚えたら

「でも、もっと先輩たちとハンドボールしたかった」

「そうだね」

「週明けから新チームで頑張れる気がしない」

「うん、いいチームだったもんね」



ぽろぽろと零れていく本音に、私はただ肯定をして話を聞く。


煌くんが弱気なのは珍しい。


私にとって煌くんはなんでも完璧な存在だと思っていたから。


でも実際はそうじゃなくて、頼れる人が誰もいなかったから自分で解決するしかなかったんだ。


どうにか、こんな私でも煌くんの力になりたい。



「煌くんは、不安を誰かに打ち明けたら気が楽になる?」

「分からない、でもゆづは特別」

「じゃあ、全部私に言って。不安を分かちあった方が気が楽になるなら、私を頼って」



煌くんはぴくっと体を動かして反応すると、その後私に抱きついたまま黙ってしまった。


余計なお世話だったかな。