カレシが嫉妬を覚えたら

「ね、ねえ、何してるの?」

「明日打ち上げだから、それまでにはメンタル回復させないと先輩たち心配させる……」

「それって、私に抱きついたら回復するもの?」

「ゆづが抱きしめてくれたらもっと回復するかもしれない」



煌くん、疲れ切っておかしくなってるのかも。


早く通常の煌くんに戻ってほしくて、私はそっと煌くんの頭を撫でた。


煌くんの髪はサラサラで思ったより柔らかい髪質だった。


しばらく撫でていると私も落ち着いてきて、聞きたかったことが無意識のうちに言葉になった。



「煌くん、楽しかった?」

「……楽しかった」

「そっか、よかった」



煌くんを知っていくうちに、この人は負の感情をため込むタイプなのかなと思うようになった。


きっと、これまで煌くんから心を開いて自分をさらけ出せる人がいなかったんじゃないかな。


だから今日も泣けなかったし、自分の家じゃないとこうやって甘えられなかったんだろう。