一人の女性が拍手をした。
「深春様、失礼ながら申し上げます。私も母親。そのお気持ちはお察しします。」
そうすると次々と女性が拍手をする。
そして男性。
広場全体と。
横で悠真が手を取りハンカチを差し出した。
ああ、これでやっとまた千春に会えるんだね。
次はお母様、お父様にも会わせてあげられるのね。
そうして、わたしはもう一度千春のもとへと向かった。
どうやら今日は千春の結婚式らしい。
飛んでくる一つのブーケを手に取り、
彼女のもとへと歩み寄る。
「深春────っ!」
約束通りきたよ、
いつか再び
あなたと会えることを信じて。
10年かかっちゃったけど。
法案改正もした。
国民にも理解をもらった。
「久しぶりね。」
久しぶりに会った妹はもっともっと幸せそうな笑顔だった。
END


