いつか再び



午後。
広場には大勢の国民がつめかけていた。



「深春様は一体何をお考えなのだ。」
「海斗様じゃあ不満なのか?」





「皆様、聞いてください。」



ざわめく広場に私の登場とともに静けさが走った。




「この度の法案改正について、私から直接皆様にお伝えしたく、こうやって集まっていただきました。」



これは、生中継で全国民へと伝わったいる。



「私には、妹がおります。」



ざわつく広場。
私は続けた。



「母は、私が産まれるとき、双子と知り悩んだと話していました。」




国のしきたり。
子供は一人。

一体誰か決めたのだろうか。

どうして一人じゃなくてはならないのだろうか。



双子だったら諦めなくてはならないのか。




「私も先日、母親になりました。海斗という小さな小さな命を授かって初めて母親の気持ちを知った部分もあります。」



母は、隠れて双子の娘を産みました。
そして、妹を別世界へと送りました。




生きていればきっと幸せになれると信じて。