でもそこからがとっても大変だったのは言うまでもない。
大臣を説得して法案を改正したところで、国民が納得するはずもなく。
「千春、いつになったらこの世界をわたしは見せてあげられるのかしらね。」
なんて空を見ながら呟く。
これを話したら世界は変わるかもしれない。
良くも、悪くも。
もう私だけの問題ではないんだ。
「構わないわ。」
朝食を終えたとき、お母様はそう言った。
「私、まだまだ後悔してるの。あなたたちを離してしまったこと。」
「お母様、私、そんな風に思ったことないです。」
私のこの動きが、お母様をもっと苦しめてしまってるんじゃないだろうか。
「深春。あなたのおかげでもう一度娘に会えるチャンスがやってきてるの。感謝してるのよ?」
「お母様……。」
「私は母親だものね。私は、何も恐れてないわ。あなたを信じてる。」
そう言ったお母様の目はとても力強く
尊敬できる母親の目をしていた。
ああ、私もこういう母親になりたい。
そして娘でいれて本当に幸せだ。


