「深春。」
「悠真……。」
「あまり無理をするな、体を壊したら仕方ないだろう。」
あれから10年。
お父様から正式に王位を受け継いだ私は、毎日法律を変えるために必死だ。
悠真は、隣の国の王の次男。
私のお婿さん。
公務は悠真にほとんど任せっぱなし。
悪いとは思ってるんだけど……。
でも、1日も早く千春に会いたいから。
一度、故郷に遊びに来て欲しいから。
お父様とお母様に会って欲しいから。
だから、頑張れる。
「大丈夫よ、それよりも仕事任せっぱなしでごめんね。」
「構わないよ、海斗の世話もあるんだから。」
「……ありがと。」