夜。


私は今日のことを振り返った。



とっさにいじわるしたけど、あのお義父さんもお義母さんも、千春ととても幸せそうに暮らしてるんだ。



私が入る隙間なんかない。



だから、本当のことは告げずこのまま帰ろう。




そう決意して私は家を出た。




素敵なご両親に出会えて、本当に良かったね。



千春。




会えて良かった。



すごく楽しい時間をありがとう。



幸せな時間を、ありがとう。



私、国に帰ったら、やるべきこと、見つけたんだ。




街を歩いていると、ふと見慣れた人影が見えた。






「……あれ、千春?」




「深春……。」