学校に潜入することは容易かった。



簡単に転入生として受け入れてもらえた。





ようやく、本当に千春に会えるんだ……





「転入生を紹介するよ。」




さっき紹介してもらった担任の先生がそう言うと、私は教室へと足を踏み入れた。





「初めまして。」




まず、そう一言言った。




それから昨日考えた名前を述べる。




「桃井深春と申します。よろしくお願いします。」




ざわめく生徒たちにそう言って一礼する。




「じゃあ席は……あそこ。高崎の隣な。」




やった。

ツイてる。


私はそう思って指定された席へと向かった。