「自分の教室、帰れ」


教室内が凍りつくほど、冷たく憎悪の混じる声。


「あれ、お前、居たの」


最悪のパターンだ。


「何、お前の愛しの灯織ちゃんが詰められてるから我慢できなくなったか?ゆーとーせぇ」


ああ、どうする俺。


「灯織」


「あ?」


皇に呼ばれ振り返る。


「俺を庇わなくていい」


……。


えー……


お前は優等生やんなきゃダメだろ。


「確かにそいつに手ぇ出した。けど、合意じゃねえ」


もう周りは何が何だかって感じだよなぁ。


「昨日も泣かした。慎、お前が1番分かるだろ。俺はそういう人間なんだよ」


ああ、心を閉ざしていくのが目に見える。


「うぜえなまじで。」


立ち上がり、間に入る。


「皇、お前は大人しく座っとけ。お前との問題は別問題だろ?」


人差し指で胸をトンッと押せば、気まずそうに眉間に皺を寄せる。


「……はぁ、今何考えてる」


「…言ったはずだ。こいつに関わるなって。関わったら」


皇の握りしめた拳が震える。


「じゃあ言わせてもらう。俺が柿谷に絡んでんのは、お前に関係ない」


扉が閉まる。


「なあ、皇。お前は最初から、柿谷のこと嫌いじゃないはずだろ」


「……はっ、お前何言って」


柿谷が反応する。


「黙れ。今俺は皇と話してる」