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「……ん」


目を覚まして、ボーッと天井を眺める。

えーっと、今日は


「うわ…今日か」


新学期。今日から。

クソだるいな。

こう、目の前にすると。


「くぁ」


体を起こし伸びをしながら欠伸をする。


「でかい口だねえ」


その声にハッとする。


「は……?なんで」


俺の寝室の入口に立っている人を見て、多分俺はかなり間抜けな顔をしている。


「あはは、おはよ。今日から新学期でしょ?」


そう言えば、ノリで合鍵を渡したんだった。

とはいえ付き合っているわけではないから、キスさえしていない仲なわけで。


新学期、朝……


「もしかして、準備の手伝いしに来たとか」


「ビンゴ〜!」


「暇か」


ひどーい。と顔を歪める丞さん。

暇なわけがない。


ベッドから降りて、とりあえず顔を洗いに洗面所に向かう。


「忙しいのに悪い。どうせ、天馬だろ」


丞さんが俺の好きな人とかそういうのは関係ない。

ただ俺が今日から鳳の人間として学校に通い始める、つまり女として鳳の人間として恥ずかしくない容姿で向かわせるための、言わばスタイリストを家に呼んだわけだ。


「残念ながらお仕事でーす」