華奢、か。

作りが、な。


「くれぐれも危ないことはしないでね。ひおは自分を大切にしない時があるから、心配だよ」


俺の後頭部を撫でながら話す。


「分かったよ。だから、心配すんな。これから頻繁に来るし」


「バイト、してるんでしょ?無理もしないで」


「灯台もと暗しだろ。環に会いに来れないのは俺がもたないってことが今回で分かったから」


依存。

そんなふうに思われないためには、そろそろ過去に踏ん切りをつけなきゃいけないのかもしれない。


「うん、僕もひおに沢山会えるの嬉しい。ひおに会えないの、寂しかったから」


俺は少し環から離れて、環の髪を触る。


「束ねられるもの、次持ってくる。体調安定したら、美容室行こう」


「うん。ひおみたいにイケメンにしてもらわなくちゃ」


「やめろよ。環は髪切らなくてもイケメンだろ。それに、俺はイケメンじゃない」



「ふふ、そうだね。ひおは美人さんだもんね」


「……さすがに環でも、それはキモい」


そんなん、言われたことねえわ。


「ええ?傷付くなぁ。愛してるって言ってくれるのに、美人っていうのはダメなんだ?よく分かんないや」