「ちょ、そんな俺信用ない!?」
「冗談に決まってんだろ。」
「……じゃあ、何」
ムスッとする丞さん。
「可愛いから?」
「ガチのナンパじゃん」
「ははは。いーじゃん。俺が仲良くしたいの。ね?結花」
「へっ、あぇ」
困惑してる結花。
色々、だよ。理由は。
___
ドレスもヒールもネックレスもピアスも。
今の俺にとっては、武器のようなもの。
「結花、サンキュ」
「い、いいえ」
ふう、と息を吐いて達成感に満ちている結花。
立ち上がり、振り返る。
「……ヒール6cm、だっけ」
ヒクッと口端を上げる丞さん。
「はっ、強そーだろ」
「181cmか……」
若干目線が丞さんより高い。
「何、嫌?」
「嫌ではない。すげえ綺麗、灯織」
ゾクゾクする。
丞さんの声と、その目が。
マーメイド調なドレス。
何が、何だかだな。
俺はただの孤児だと思ってたのに。
「でも、なんか、敗北感?」
アホなことをいうこの人だからこそ、なんか大丈夫な気がしてしまうんだ。
「俺はまだ丞さんに見合わねえよ」
クス、と笑えばキョトンとする丞さん。
「さっきの丞さんの告白だけど、返事ちょっとタンマな」
「……え?さっきのが、答えじゃないの?」

