「柊吾は、俺を理解してくれる。全部壊したい衝動も、それでいて1人で居たくない自分勝手な気持ちも、愛されることが1番怖い臆病な性格も。一緒にいるとさ、まるで、最初からひとりの人間なんじゃねえかって思うほど」



丞さんの眉間にシワが寄る。

眉を八の字にして。



ごめんね、丞さん。



「俺は、丞さんには、柊吾みたいな関係になって欲しいわけじゃない」



俺はきっと、あいつに充電期間を貰ってた。


「なあ、丞さん」



「……うん?」



丞さんには、ワガママばっかりだな、俺。



「俺がやり直すの、隣で見ててくれないか」



丞さんの眉間からシワが消えて、少し目が見開かれる。



「守るでも、支えるでもなく、俺が戦うのを隣で見ていて欲しい。


サポーターじゃなくて、


パートナーになってくれないか」



俺みたいな子供が、何言ってんだって話だけど。



「ろくでもねえ人間だって、今話聞いて分かったろ?……でも俺、頑張るから。もう逃げねえから。その……俺の知らねえ未来?のために。だから、その未来、俺の隣で…っ」



……大好きな香りに、包まれる。


めいいっぱい、苦しいほど。



「俺の隣で、笑っててくんねえか…」



くぐもって、聞こえてっか分かんねえけど。


丞さんの肩が震えている気がして。


「たすく、さん?」