こんな、汚れきった俺の戯言。



「俺の事なんか何も知らないのに、環の真似事をする俺を馬鹿みたいに信じて周りで笑って。昔の俺なら反吐が出るくらい幸せそうな学校の奴らを、どうしたら守れるかなんて考えてる自分が怖かった。」



こんな俺が、傍にいていいわけが無かった。



「……丞さんを好きでいるのが怖かった」



どんどん、欲深くなっていく。

会いたい、声が聞きたい、話したい、触れたい、一緒にいたい、俺のものになって欲しい。


でも、本当に俺の望み通りになったら?


俺は、丞さんも汚してしまう。



「壊してきた俺が、周りに大切にされていることを自覚するたび、吐き気がした。環の真似事をしているうちに、自分も周りと同じだと思い始めてて、それに気が付いた時、心底笑いそうだった。んなわけないのに」



スリスリと丞さんの手を指で撫でる。



「甘やかして、リセットして、また進みたい時、背中を押す。丞さんが俺のためにそういう役回りをしようとしてくれてた。けどそれは、柊吾がしてくれたんだなって」



少しだけ、ほんの少し、キュッと握る力が強まった。


俺はこれから言う言葉が照れくさくて、丞さんの顔を恐る恐る覗き込むように見る。