「え、何」
「確かに……目とか似てんな、耀介に。あと、取っ付きにくい感じが、天馬さんに似てなくはないか」
「…似てるとこ探すなよ」
「だって、俺も義弟になるってことだろ？ちゃんと確認しとかなきゃ」
……調子狂うな、もう。
「いいから話の続き聞けよ」
「ん。聞きます」
俺の頬から手を離して、俺の手を握って前にしゃがむ。
「前妻、つまり天馬と耀介の母親は、ご令嬢ってやつで、かなり出来る嫁さんだったんだと。でも、俺のお母さんは一般人にしちゃ出来る女だったみたいだけど、まず生きてた世界が違いすぎたから、心無い言葉の数々が飛び交う金持ちの世界に心が追いつかなかったらしい。」
簡単に言えば、壊れた。
心が、壊れた。
「ある日突然、4歳の俺を連れて出ていったんだとさ。それで、本家の奴らは俺を探し回って、4年後、小さな化け物と化した俺を耀介は見つけ出し、今に至る。」
「…小さな、化け物？」
「俺は数々の施設で物は壊すわ、他の子供のみならず職員にも暴力を働く化け物。どこの施設でも手がつけられず、最終的に、山ん中にある外から施錠できる部屋しかない施設に突っ込まれた。まるで牢獄」
