「とりあえず、ここで話してても、まとまりはしないと思う。柿谷、皇。灯織の現状を伝えてくれてありがとう。」


この場をどうにかしないと。



「それで、お前らはこれからどうするんだ?」


2人は目を合わせて俺を見る。



「灯織といる、その人間と連絡を取れるのは俺だけだ。だから、もう一度、灯織と話せないか連絡してみようと思ってる」



____


ああは言ってたけど、話が通じるとは思えない。


「相見先生も門前払いだったし、柿谷達もそんな期待出来ないよねえ」


与坂も、同じことを考えてる。

相見先生に、灯織が学校にもう来ないのか聞いたけど、さあ、としか答えなかった。


完全に、灯織の意思でしか、この事は動かないのかもしれない。


「灯織に会ってきた」


柿谷が俺らの元へ来て、そう言った。


「あいつとも、話してきた」


グッと眉間に皺を寄せる柿谷。


「結果、俺から言えることは、


灯織のことは、俺らにはどうにも出来ない」



何故かその言葉には、重いなにかを感じて、頭を鈍器で殴られた感覚がした。



「七種。お前は俺らにも知らないことがあるって言ったよな」


「ああ」


「灯織も、灯織自身について知らないことがある。それは、もう俺達には手に負えない問題だった。」


「どういうことだ、慎矢」


皇が、立ち上がる。


「俺の口からは、言えない」