その日から、環の見舞いには言っていない。
不思議と、耀介からの連絡もない。
学校にも行ってない。
「灯織、風呂いいよ」
「りょーかい」
柊吾の家に居座ってる。
風呂に向かおうとすれば、インターホンがなる。
ん?直にインターホン?
番号知ってる人か。
「柊吾ー?」
「出ていいよー」
そう言われて、柊吾のTシャツを一枚だけ着て、扉を開く。
そこには、
「……ちゃんと服着ろよ」
「あー、どうぞ」
慎矢だった。
「奥にいるよ」
それだけ伝えると、
「シンか」
パンイチで現れる柊吾。
「服着ろよ……」
そんないたたまれない慎矢に笑いながら、風呂に向かう。
久々に会ったな、慎矢。
なんか、キリッとしてたな。
風呂から上がれば、何やら柊吾が料理をしてて。
「すげえ腹減った」
「だろうと思って」
「ふぅ、やっさおー」
「髪乾かさないと風邪引くよ。引いてもいいけど治るまでうち来ないでね。移されたら困る」
「はは、ウケる」
変わらず、甘ったるい関係などではない。
タオルで髪を拭きながら、コップにお茶を入れて、リビングにいる慎矢の元へ行く。
「今お茶しかねえから、我慢な」
慎矢の前のローテーブルに置く。
「いや、君の買い溜めたジュースは」
「あれは俺のだから」
「ケチ過ぎない?」

