「ハルのやつ、今日俺にチーズケーキ持って来いっつってたから、すげえ待ってんぞ。なんで俺がハルなんかにケーキ持ってかなきゃいけねえんだっつの」


ハルはとっくに、意識が戻ってる。

1ヶ月ほど、生死をさまよった。

6ヶ月後、目を覚ました。

6ヶ月、精神的にやられて自殺行為が止まなかった。


今年の春には、だいぶ回復して、高校も通信教育で週一で通ってる。


あの時のことがあって、父親からの虐待も発覚して、孤児院に引き取られた。


「あ、今日病院にいるのは」


ガタン、バンッ


2人とも、勢いよく立ち上がり、部屋を出ていった。



「あいつは、ピンピンしてる。環の見舞いに行ってる、だけだぞー」


「聞こえてないよ」


「だろうな」


横を向いて、ソファに足を伸ばし、柊吾を背もたれにする。


「重い」


「今、どんな感じ?」


欠伸をしながら聞けば、


「しんどいかな」


「ふーん」


「でも、スッキリした」


「そ」


「本当にしんどいのは、シンだろうし」


「そうだね」


柊吾は俺の背中を押して、自分も横を向いて、自分の脚の間に俺を座らせる。


後ろから俺を抱きしめて、スリスリと頬ずりをする。