「言っとくけど、本当に大丈夫。なんなら仲良くなったから。あ、後で聞きたいことある。じゃな」
一方的に通話を切る。
振り返るとそこには柊吾が居て、心臓が止まる。
「び、ビビったァ…気配なくして近付いてくんなよ。忍かよ」
「誰」
「俺の親みたいなやつ。」
シャワールームの方に行こうとすれば、腕を掴まれる。
「ん?どうした」
「君は一体誰なの」
そんな言葉に、ふっと笑ってしまう。
「順序バラバラすぎだな。」
グイッと腰を抱き寄せられて、キスをされる。
好きな時に好きなことをする。
それですら許されなかった人。
こいつとなら、居られる気がする。
何をしても咎めず、咎められず。
「いいや、君が誰でも。」
そう言って、首筋にキスをする。
「ご飯来ちゃうって。来る前にシャワー浴びてえんだけど」
「ん」
「ん、じゃなくて。布団離させようとすんな!」
甘えっ子すぎる。
「分かった。分かったから、後でまた付き合ってやるから一旦落ち着け」
ミノムシのように布団をキツく体に巻きつける。
その状態で睨みつければ、眉を八の字にしてクスッと笑う柊吾。
シャワールームの方に行って、脱衣所に入る時廊下に布団を投げる。
「柊吾!これ!戻しといて!」
クスクスとまた笑い声が聞こえる。

