「もー体調は大丈夫なのかよ」
不機嫌そうに幸大が呟く。
昨日の失せろ、つったのがそれほど気に食わなかったのか。
「ああ」
「別に?俺は声かけなくていいっつったんだけど?七種がどーしてもっつーから、先生呼んだけど」
拗ねてんなぁ。
クソだりぃなこいつ。
「七種、サンキュ」
「ちげえだろ!!!昨日のお前の言葉を謝れ!バナ先にあんな軽く謝れんのになんで俺には謝罪の一言もねえんだよ!!!」
立ち上がり、ダンッと机を叩く幸大。
昼休みとは言えど、ここは教室だ。幸大のでかい声に周りが驚いている。
幸大は、普段ふざけているやつだから、大声は別に珍しくはないが、何やらかなり拗ねているらしい。
「何。失せろっつったのがそんなに気に食わねえの?お前」
足を組んで、頬杖を着いて幸大を見上げる。
「……てめえ、何笑ってんだよ」
アホらしいからな。
「失せろっつったのがそんなに気に食わねえなら、こう言えば良かったか?側にいてよ幸大、って」
女っぽく言ってやれば、幸大の顔が引き攣る。
「ネチネチネチネチ怒ってんじゃねえよ。お前は俺の彼女か」
「は、はぁ!?」
「井筒、弓木も。もうやめとけ。喧嘩すんな」

