慎矢の顎に手を添えて俺の方を向けさせる。


「無性に昔の俺を見ているようで堪らない」



グッと眉間に皺を寄せて、パンッと俺の手を払う慎矢。



「俺はお前に構い続ける。そうだな、まずはお前がお前を認めるまで。お前がお前を認めたら、次は辛いことから目を背けている現状から、その出来事に向き合うまで。その次は、そのトラウマを克服するまで。それから……」



「お前に似てる?愛してるだの愛してないだの友達ごときに言わせてるお前が?漸がお前を泣かせるほど欲しがってる、お前がか?……笑わせんのも大概にしろ」


最後は怒鳴り声だった。


「いや、話聞いてたか? " 昔 " の俺な?今の俺は似ても似つかねえだろ。あ、でももう一個教えてやるよ」


ポンポンと肩を叩いてやる。


「お前はまだ、昔の俺より軽傷だ。昔の俺に何から何まで似てる人間に今日出会ったんだよ。ほら、そこにいる、お前の愛しのお兄ちゃん」



こてん、と首を傾げて、慎矢越しに目が合う柊吾。


ほら、から声をオクターブ上に上げる。



「慎矢、お前がもっともっと荒んでいけば、お兄ちゃんの完成だ」


笑わない。

別に元々へらへらするタチじゃない。

ただ、慎矢と話す時は笑った方が素を引き出せるから笑ってるだけで。