その翌日、登校しようと家を出ると、

「初~!待てよ~。」

颯はブレザーのネクタイを直しながら走ってくる。

「だって颯、起きるの遅いんだもん。」

そう言って2人で学校に向かった。

「えやばくなーい?」
「お前出る??」
「やだー、恥ずかしいもん。」

クラスではそんな声が飛び交っていた。
騒がしいな。なんかあったのかな。

「ねえ、なんかあったの?」

近くにいた子に声をかけてみた。

「初ちゃん知らないの!?
廊下のポスター!」

廊下の…ポスター?

あちこちで集まる人をかき分けて廊下に出た。
貼ってあるポスターを見つけ、目を細める。

「校内……主張…?」

概要を見てみると、生徒が舞台に立ち、想いをマイクで叫ぶ。
というものらしい。

「告白も大歓迎だってよ?」

りっちゃんにポンと肩を叩かれた。
りっちゃんは仲の良い友達で、颯との過去を知っている子だ。

「は!?しないよ、そんなの…。」

「ふーん。せっかくのチャンスだと思うけどなあ。」

私だって…。言えるもんなら言いたけど…。

振り向いて、近くで友達と話している颯を目で追う。
あぁ、やっぱりカッコいい。好きだな。

もう一度、ポスターに視線を戻す。

「このイベントに出れば、もう一度、付き合えたりするのかな…。」

そのときの私は、なぜか積極的で、その後すぐイベントの実行委員に申し込みをした。

「あぁ…。どうしよう本当に申し込んじゃったよ。」

勢いで申し込んだ事を後悔しながらも、今度こそっていう気合いも入っていたから、あまり気持ちはダウンしていなかった。