あれからの毎日は本当に大変で。

颯は学校で女子に人気があって、同居生活してるなんて事がバレたら何されるか分からない!!

だからなるべく関わらないようにしようとしてたのに、颯は朝夜のあいさつは欠かさないし、ほぼ無理やりに登下校も一緒にしている。
そのうえ、家事は分担していて、料理担当の私が夕飯を作っていると

「今日の夕飯なにー?美味しそう。」

なんて溶けそうな声で話しかけてくる。

お金持ちにも関わらず、掃除が好きな颯が、朝から掃除機を掛けているのを見ると、まるで新婚生活みたいなんて思ったりもして…。

「何考えてんの元彼だよ!!」

って気を強く持ち直す。

5日目に入る頃には、テレビを見る時は2人並んで見ていて、たまに肩にもたれかかってくる颯に、ドキッとしたりもした。

「本当にカッコいい顔で。
おまけに家事出来るとかハイスペすぎ。」

まつげ長いし、髪サラサラだし、いい匂いがする。

「全部、好きだったなぁ。」

思わずこぼれた自分の言葉にハッとする。
そうだ、私振られたんだよ。2ヶ月前。
あまりにも突然に。

「何ドキドキしてんだろう。
お互いもう好きなんかじゃないくせに。」

なんか考える程、気分落ちてくるなぁ。
考えるのやめよう。もう寝ようっと。

思い出しかけた彼との思い出をかき消すように目を瞑って、ベッドに潜った。