紫央くんが、“名は体を表す”って言ってた。



私たちは、その通りだったのかもしれない。




「……笑莉はね、
名前と同じように、笑顔が絶えないっていうか…
笑顔の輪の中にいる……そんな子だよ」



「いい名前もらったんだね」



「……笑莉は、ね…」




“笑う”という字は、誰が見たっていい印象を与える。


それに比べて、私は……




「……笑莉の名前が、羨ましい。
私は、憂鬱の“憂”だよ?
誰もいい意味に捉えてくれない…」




名前を付けた両親だって、私に期待してないってことじゃないかな。


でも、こんなマイナスな考えばっかりの私には、お似合いなのかもしれない。