え?、と顔を上げたら
男の子が『ん』と手を出していた。
「……え?」
「友達になってください、の握手」
「あ…はい…」
差し出された手に、そっと自分の手を重ねる。
そしたらぎゅっと握られて、
ブンブンと激しく腕を上下に振ってきた。
「よっし、これで俺ら友達!
あ、でももうホームルームも始まるだろうし、教室行かねぇと。
終わったらB組の教室行くから、待ってて」
「あ、はい…」
「そうだ。
名前、なんていうの?」
「……天音、です」
「俺、睦月紫央ね。
覚えといて」
睦月…紫央くん。
高校に入って
初めての友達。



