笑莉はもう一度私を見ると、



制服を私に押し付けた。




「大丈夫。
協力してくれる人、呼んどいたから」



「え……」



「一人じゃないよ。
だから、お願い」




仕返し…なんて、良くないと思う。



でも……




「……わかった」




このままじゃ、あの時のトラウマを一生背負っていくことになる。



仕返しできなくとも、



こんな思い出、さっさと捨ててしまいたい。



そのためにはどうしても、大悟くんと会わなければ。


じゃなきゃ、絶対スッキリできないと思ったから。



自分の制服を脱ぎ、笑莉の制服と交換した。




「この間大悟くんに会ったでしょ?
その時に気付かれなかったなら、メイクはしなくて良さそうね」



「じゃあ制服このままでもバレなかったんじゃ…?」




うちの制服と笑莉の学校の制服、似てるからなぁ…


だから大悟くんも気付かなかったんだろう。