でも、悲しかった。




「俺、憂莉と笑莉ちゃんを同じようには思ってないよ。
笑莉ちゃんが憂莉の代わりなんて思ってないし、逆も同じ。
だから、その…昨日はあんなこと言ってごめん。
憂莉、比べられることが一番嫌いだよな」



「……うん」




比べられることが嫌い。


だって、それで私を選んでくれた人は、誰もいなかったから。



大悟くんもチエちゃんも、きっと片倉くんだって…


みーんな笑莉を選んだ。



私は、笑莉の株を上げてるだけの踏み台なんだ。


だから嫌だった。



けど今は…そうじゃないよ。



比べられることが嫌なんじゃない。



“紫央くんが”笑莉を選んでしまうことが嫌なの。