紫央くんの顔を覗き込んで言ったら、
紫央くんはフイッと顔を逸らした。
「……軽いお願いなんかじゃねぇよ。
……だから言わない」
「……でも、」
パンと同等くらいのお願いって…そんなに重いもの?
「……負けてお願いするようなことじゃねーんだ。だせぇし。
あーあ。勝って言うはずだったのになぁ」
頭を掻いて項垂れる。
そこまで勝ちたかったなんて、全然知らなかった。
私は、負けたって自分でパンを買いに行くだけって思ってたから…
そんな深刻な顔されると、どう言葉をかければいいのかわからない。
「し、紫央くん…」
項垂れる紫央くんを励まそうとしたら
「紫央ー!
えー!負けちゃったの!?」
紫央くんと同じクラスの女の子だろうか。
いきなり近づいてきたかと思ったら、紫央くんにぎゅっと抱きついた。



