「招かれざるお客さんって、もしかして亡者ですか?」
「そうだよ。既に眠りについている人の身体を勝手に使うなんて、許せないよな」
眉間に皺を作り、カイは辺りを見る。
「……そうですね。近くに誰か、術者がいるのですか?」
「この墓場にはいないよ。亡者達の気配はするけど」
イストの背中を押すのをやめ、カイは彼の問い掛けに答えた。
自分達以外の音は周囲から聞こえないが、亡者達の気配は感じる。
五百年間、墓場にいるせいか、亡者達の気配に敏感になってしまったカイは小さく息を吐いた。
「毎晩、亡者達が来ているのですか?」
「最近はよく来るなぁ。それまでは三日に一回くらいだったんだけどね」
「そうですか。では、俺も手伝います」
嬉しそうに晴れやかな笑顔を浮かべてイストは言い、腰に引っ掛けてある剣の柄を握る。
「いいよ。そんなに多くもないし。それに、明日はウェル君、大事な会議があるんでしょ? なら、君も早く帰って寝なきゃ」
「そんな、カエティス隊長。俺なら大丈夫ですから、一緒に戦いましょうよ、久々に」
しゅん、と眉を八の字にしてイストはカイを見つめた。


