公爵の娘と墓守りの青年

「……そっか」

少し間を置いて、絞り出すようにカイは呟いた。

「俺を覚えていてくれて、ありがとう。イスト君」

そう言って、カイは小さく笑みを浮かべる。
その笑みを懐かしく感じ、イストは更に嬉しくなった。

「――ところで、前世でミシェイルだったことを話すために、イスト君はわざわざここに来たのかな?」

いつも通りの声の調子に戻り、カイは尋ねた。

「はい。兄弟のいなかったミシェイルにとって、貴方は兄のような存在ですから。それもあるんですが……ちょっと困ったことを耳にしまして」

「困ったこと?」

「ウチのウェル様がカエティス隊長に憧れているのはご存知ですよね?」

イストの問い掛けに、カイは頷いた。
それを確認して、イストは真剣な顔で口を開いた。

「ウェル様からお聞きしたと思いますが、ウェル様の従兄のトイウォース様がいらっしゃるのですが……」

「うん、それはウェル君に聞いたね」

「そのトイウォース様ですが、あの方も貴方のことを探しているようなのです」

イストは真剣な面持ちでカイに告げた。

「ウェル君にも言ったことなんだけど、どうして話がいきなり飛躍するかなぁ……」