「はい、そうです。前世は貴方の部下のミシェイルでした。今はイストって名前ですけど。カエティス隊長、お久し振りです」
大きく頷き、イストは嬉しそうに微笑んだ。月の光が当たって、イストの笑顔が輝いてカイには見えた。
「……どうして、俺のことを覚えて……」
少しだけ、悲しげな顔をしてカイは呟くように尋ねた。
「うーん、話せば長くなるんですが、物心付いた時に、ある物語を母から聞いて違和感を覚えたのがきっかけです」
「違和感……?」
「はい。俺の記憶と、物語の内容が大分違っていたので子供ながらに調べました。その後、縁があってトーイ様のご子孫のウェル様にお会いして、あの方の家臣に弟と共になることが出来て、ウェル様と弟と一緒に貴方のことを調べましたがよく分からなくて……。俺が持っている記憶が前世だったと七年前にやっと分かったのです」
イストはカイに嬉しそうに笑って言った。
「七年前、ウェル様と一緒にカエティスの墓を訪れた時に、貴方を見かけて」
イストの言葉に、カイは息を飲んだ。
「貴方の姿が、五百年前から変わってなくて。俺の記憶の通りにここで墓守りをしている貴方がいて、嬉しかった」
本当に嬉しそうにイストはカイに説明した。
説明されたカイは何も言わず、イストをただ見つめた。
静かに聞いていたビアンが不審げにカイを見上げる。


