「どうして、墓地を囲んだんですか?」
説明するカイにリフィーアが尋ねると、彼は苦笑した。
「当時のウィンベルク公爵のクレハが言うところによると『いつでもカエティスと勝負が出来るように』と『都の住民達とカエティスが交流出来るように』というのが理由らしいよ。それについては夫の私も同意見で、そうなっちゃったんだよね。今思うと、クレハは都の人々と一緒にカエティスを守りたいというのがあったのかもね。墓地から離れられない君だけを犠牲にしたくなくて」
苦笑するカイを見上げ、エマイユが説明する。
「俺は別に犠牲とか全く思ってないんだけどね。俺が自分で選んだことだし」
「でも、選んだことで君は墓地から離れられなくなった。墓地以外を歩く自由がなくなった」
「……あー、いや、それが、一回だけあるんだよね……」
言いにくそうにカイは頭を掻いて、エマイユに答える。
「え? どういうことだよ、カエティス」
「昔、一度だけ、負の集合体の一部が墓地から出たことがあって、その時に乗っ取られた老人が近くにいた女の子を襲ってたからそれを助けに……」
「え……?」
緑色の目を大きく見開き、リフィーアはカイを見た。


