カエティスの都に生まれ育ったリフィーアにとって、この場所は興味の対象だった。クウェール王国の国王とウィンベルク公爵家の当主。そして、カエティスの都の墓守りのカイのみしか入れない墓地の奥は木々に覆われ、墓地の奥、更に奥へと続く道が続いているだけで、何も聞こえないまるで時が止まっているように静かな場所だった。
「……この奥に封印しているんだ。ただ、気を付けて。この場所や墓地と違って、空間が違うから」
静かに、カイは呟いた。その声がしんと静まり返ったこの場所に溶けて消える。
「空間が違うというのはどういうことですか?」
自分の付近で周囲を警戒するイストとエルンストを見ながら、ウェルシールはカイに尋ねた。
「ここは都じゃないんだ。ネリーのお父さん――ラインディルに頼んで、墓地の奥の奥……最奥っていうんだけど、そこに別の空間を作ってもらったんだ。この墓地は街の隣にあった俺と先生が元々住んでいた森を変えて墓地にして、それを取り囲むように家が増えて都になってね。墓地を囲むように家が増えたから封印が解けた時に惨事が起きるから別の空間を作って欲しいってラインディルに頼んだんだよ」


