公爵の娘と墓守りの青年


「はいっ!」

大きく頷き、リフィーアはじっとカイを見上げた。

「カイさん、私も一旦帰ります。叔父様もサイラードお兄様も心配していると思うので」

「うん、そうだね。またおいで」

「はい! それでは失礼します」

ぺこりとお辞儀をして、リフィーアは墓地を出て、自宅へと戻って行った。

「……カエティス」

リフィーアの後ろ姿を見送るカイに、ネレヴェーユが躊躇いがちに声を掛けた。

「ん? ネリー、どうしたの?」

「……ごめんなさい」

「え、何で謝るんだい?」

「だって、私のせいで貴方の運命が変わってしまって……。私の力まで、貴方に行ってしまったのよ。だから、本当にごめんなさい」

「あっ、えっ、ネリー……っ」

涙を浮かべる女神にカイは慌てて、指で彼女の目から涙を拭う。

「えーっと、ね。ネリー。実は君の力、まだ俺に定着してないんだ」

「え……?」

目を瞬かせて、カイを見上げた。溜まっていた涙が目から一筋流れる。

「ちゃんとネリーに聞いてからにしようって思ってたら、君のお父さんが来て、君の力を持って帰っちゃったんだ。その後、君が閉じ込められて、出られた時にこっそり返したんだ」