公爵の娘と墓守りの青年


「カイさんは何を、悩んでいたのですか……?」

「騎士になるか、ならないか。結局、友人を守る為に騎士にならなかったんだけどね」

肩を竦めて、カイは苦笑した。

「どうしてならなかったのですか?」

「騎士ってね、国や国の皆を守らないといけないでしょ。俺は友人だけを守ろうと思ったんだ。友人の周りは皆、騎士で強いけど、国や国の皆を守るのに手一杯で、その友人も自分のことは後回しの人でね、目が離せなかったんだ。だから、俺は騎士にならずに友人を守ることだけに専念してたんだ」

尚も苦笑いを浮かべ、カイは懐かしそうに話す。

(……そのカイさんの友人って人、何だかカイさんみたい)

カイの話を聞きながら、リフィーアは彼の過去を思い出した。
友人は似たような人が多いと言うが、カイの話を聞くと本当にその通りだと思った。

「……まぁ、昔話はこの辺にして。とにかく、リフィーアちゃん。焦らないで、ゆっくり考えてね。リフィーアちゃんが後悔しないように」

優しく微笑み、カイは告げる。その言葉が、言葉を交わしたことはないが死んだ父リゼラードから言われたようにリフィーアは感じた。