公爵の娘と墓守りの青年


エマイユとトイウォースの後ろ姿を見送るカイを見上げ、リフィーアは声を掛けた。

「ん? 何だい、リフィーアちゃん」

リフィーアに顔を向けて、カイはにっこりと笑う。
優しく笑うカイの目を見つめ、ずっと聞きたかったことをリフィーアは彼に尋ねた。

「……お父さんとお母さんのこと聞きたいのですが、お父さんとお母さんは殺されることを知っていたのですか……?」

リフィーアの問い掛けに、カイは眉を悲しげに寄せて、小さく頷いた。

「……そうだよ。ウィンベルク公爵家の当主はクウェール王家の当主の身代わりをしていたから……」

きつく眉を寄せて、カイは俯く。

「そのことはリゼル君とフィオナちゃんから聞いたんだよ。クレハがウィンベルク公爵家の家訓として決めたそうだよ」

「家訓……?」

「うん。トーイにも俺にも内緒でクレハが決めたんだよ。『王を支え、守るのが公爵家だ』って、残したらしいよ」

「王を支え、守る……」

小さく呟き、リフィーアは過去で見た先祖のクレハノールを思い出す。
真っ直ぐに前を見据え、自信に満ちた女公爵らしいその言葉に、リフィーアの脳裏にウェルシールが思い浮かんだ。