公爵の娘と墓守りの青年


「ウェル君、ちょっと一緒に外へ行っていいかな?」

ベッドから立ち上がり、俯くウェルシールにカイは穏やかに声を掛ける。

「え……はいっ」

俯いていた顔を上げ、カイを見上げウェルシールは大きく頷く。

「皆はちょっとここで待っててね」

そう言って、カイはウェルシールを連れて外に出た。

「……王として、と考えなくていいよって、言いたいとこだけど、実際は考えるんだよね。私もそうだったし」

肩を落とすウェルシールを元気付けるように話し掛けるカイの後ろ姿を見つめ、エマイユは呟く。

「え、全然考えたことがないように見えましたけど……。むしろ、楽しんでいたようにしか見えなかったのですが」

「そこは相手に隙を見せない為に出さなかったんだよ、イスト。というか、失礼だな。私がまるで冷血人間みたいな言い方じゃない」

じっと横目で睨み、エマイユはイストに近付く。

「そ、そんなことは思ってないですし、そういう言い方をしたつもりはありませんよ……!」

蛇に睨まれた蛙の如く冷や汗を掻きながら、イストは弁解する。

「ふーん? そこまで言うなら信じるけど、嘘だったらカエティスみたいにお腹殴るからね」