公爵の娘と墓守りの青年


「それにしても、相変わらず解せない元祖父だなぁ。国王だった時は尊敬出来たのに。こんなに執念深くて美人好きだったなんて知らなかったよ」

「……そこはそっくりだと思うなぁ。方向性は違うけど」

エマイユの言葉に昔を思い出し、カイがぼそりと呟く。

「聞こえてるんだけど?」

にっこりと暗い笑みを浮かべ、エマイユはカイににじり寄る。
カイもエマイユの笑みに動じることなく穏やかに微笑む。

「あの、それが、負の集合体なのですが、今は三代目のクウェール国王が主ではないのです」

「えっ? ちょっとどういうことだよ」

「確かに女神様を欲しているのは事実です。ですが、三代目のクウェール国王の意識は僅かしかありません。五百年前、カエティス殿によってほとんど浄化されましたので……」

トイウォースの言葉にエマイユは意味が分からないと言いたげな顔で眉を寄せる。

「じゃあ、どうしてネレヴェーユ様を欲しているんだよ?」

「……ネリーを手中に収めれば、この世界の神、ラインディルに手が届くっていうことかな? トイウォース君」

嫌そうに顔を顰めて、カイが答える。

「――その通りです」

大きく頷き、トイウォースは苦い顔をする。