公爵の娘と墓守りの青年


目を伏せ、俯きがちにトイウォースはゆっくり口を開いた。

「私に負の集合体が乗り移っていたのはご存知だと思います。その負の集合体が私の身体であることをしていました」

「あること?」

眉を寄せて、カイは鸚鵡返しに尋ねる。

「はい。負の集合体はウェルより先にカエティス殿とウィンベルク公爵のお嬢さんを見つけるようワルト伯爵に命じていました」

ワルトという名前を聞き、一瞬だけカイの顔が変わる。が、誰も気付かず、話は続いていく。

「ど、どうしてカイさんとリフィさんを?」

「負の集合体を二つに分け、二人の身体に乗り移ろうと考えていたようです」

「なるほど。カエティスとリフィーアちゃんさえ手中に収めれば、あとはウェルシール。彼は自分の近くにいるから楽に手に入る。そして、封印も解くことが出来る」

トイウォースの言葉を聞き、エマイユは腕を組んだまま呟く。

「はい。この墓地を何度も亡くなった方達を使って襲ったのも私の身体を使っていた負の集合体です」

エマイユの呟きに頷き、トイウォースは申し訳なさそうにカイを見つめる。