公爵の娘と墓守りの青年


カエティス達は言葉を失った。

「流れていると言っても、カエティスの母の血だ。育ての母と同じ血ではないが」

「……先生と同じ血ではないのは悲しいですが、それでも……それでも、俺、隊長と少しでも繋がってるのは嬉しいです」

嬉しそうにミシェイルは笑みを浮かべる。
その笑みを見て、カエティスも穏やかに微笑む。

「――さて。ここからが本題だ。カエティス、お前は私の娘の力を持ってしまった。更には娘がお前の死ぬ運命を変えた。そのことで未来が変わる」

眉を寄せ、ラインディルはベッドから上半身を起こしたままの包帯だらけのカエティスを見る。

「未来が変わったことで、お前は選択しないといけない」

一歩、一歩とラインディルはカエティスがいるベッドに近付く。
警戒してミシェイルとレグラスがカエティスの前に立つ。
二人の様子にラインディルは苦笑する。

「別にカエティスを取って喰おうとはしない。何度も生まれ変わっているが元は私の従兄弟だ。親族だった者に手を出す気はない。仮に悪意があれば、私が触れる前に私の伯父がカエティスを護るさ」

白に近い水色の髪を掻き上げ、ラインディルはまた苦笑する。

「……どうして、ネリーのお父さんの伯父さんが俺を?」