公爵の娘と墓守りの青年


「今は本当に疲れたから、ミシェイルで遊ぶ気はないって」

「絶対、嘘……」

信用出来ないと言いたげな目でミシェイルはレグラスを見ながら言おうとしたそのまま、あるものを見て固まった。

「ん? どうした、ミシェイル……」

不審に思ったレグラスもミシェイルが見つめる先を見て、目を大きく見開いた。

「え……いつの間に起きたんだよ、カエティス」

いつの間にか上半身を起こして、カエティスが静かにミシェイルとレグラスのやり取りを見ていた。

「いや、今なんだけどね。変な気配を感じたから……」

「は? 変な気配?」

「うん。ネリーの気配に似た感じの……。でも、ネリーじゃない」

俯き、カエティスは暗い表情になる。

「隊長……」

心配そうにミシェイルはカエティスを見つめる。

「ネレヴェーユちゃんじゃないってことは誰なんだよ、カエティス」

「……多分、ネリーの家族だと、思う……」

「……えっ」

カエティスの言葉にレグラスは大きく目を見開いた。

「――よく分かったな。神の落とし子」

不意に聞こえた響く低い声に、ミシェイルとレグラスはカエティスを守るようにベッドの前に立ち、腰に佩いた剣の柄を握る。

「……良い部下を持っているな、神の落とし子」

カエティスを守るように立つミシェイルとレグラスを見遣り、男は満足したように笑う。