公爵の娘と墓守りの青年


息を吐いたのと同時に、扉を開ける音が聞こえ、誰かが入ってきた。
ミシェイルは扉の方へ顔を向けた。

「カエティス、起きたか?」

入ってきた人物を認め、ミシェイルは頷く。

「今、やっと眠ったところだよ。無理するからまた血が出てる……」

カエティスの手に巻かれた包帯に滲んだ血を見て、ミシェイルは眉を寄せる。

「司祭様はどうだ? レグラス」

「王様とクレハノールちゃんの説明でやっと落ち着いたところだ。まぁ、血は繋がらないけど、自分の息子が大怪我したんだから、取り乱して当たり前なんだけどさ。止めるのが本当に大変だった」

肩を竦めて、レグラスは笑う。

「……自分も取り乱してたくせに」

安堵の笑みを見せるレグラスを半眼で見つめ、ミシェイルは呟く。

「それはお互い様だろ。とにかく、司祭様もようやく休んだことだしさ、俺もここにいよっかな」

「えー……」

とても嫌そうな顔をミシェイルは浮かべる。

「暇なんだから、いいじゃん。ゆっくりさせろよ」

「俺がゆっくり出来なくなる。お前、すぐ俺で遊ぶし」