公爵の娘と墓守りの青年


慌てて顔を触り、カエティスは不安げにミシェイルを見る。

「出てないですけど分かります。どれくらい一緒にいると思ってるのですか。傷、まだ痛むのならしっかり治して下さい。ネレヴェーユ様のことはそれからでも遅くはないはずです」

傷だらけのカエティスの手に触れ、

「ネレヴェーユ様の所に行って、隊長が倒れたら意味がないですよ」

にっこりとカエティスそっくりの笑みをミシェイルは浮かべる。

「……そうだね。本当に傷だらけだしね」

包帯だらけの自分の身体を見て、カエティスは自嘲じみた表情をする。

「ミシェイル、皆のお言葉に甘えてもう少し休むよ」

「その方がいいです。隊長の看病、俺がしっかりしますから」

ベッドの近くの椅子に腰掛け、ミシェイルはカエティスが眠るのを笑顔で待つ。

「いや、そんな笑顔で待たなくても……まぁ、いいや。それじゃあ、おやすみ」

傷が痛むのか、カエティスは布団に入り、目を閉じ、すぐさま規則正しい寝息が洩れる。
カエティスが眠ったのを確認し、ミシェイルは安堵の息を洩らす。