トイウォースは爽やかな笑みを浮かべ、カエティスの肩に触れる。
少し落ち着きを取り戻したカエティスは小さく息を吐く。
そして、クレハノールに目を向ける。
「……クレハ、ごめん。君のお父さんまで巻き込んでしまった。もっと早く気付いてたら……」
暗い表情でカエティスは呟いた。脳裏に十年前の育ての母が死んだ時のことを思い出す。
同じようなことが過去にあったのに、それを生かせなかった。
眉を寄せて俯くカエティスに、クレハノールはゆっくり首を振った。
「カエティスのせいではない。むしろ、お前が一番巻き込まれてるんだ。私達は王家や公爵家の人間だから、何かに巻き込まれることはある。だから、少なからず覚悟はしている。けど、お前は一般人で、私の友人なだけだ。巻き込まれなくてもいいのに、巻き込んでしまった」
こちらこそすまない、とクレハノールは謝る。
「――とにかく、君はまだ寝ておけ。生き返ったとはいえ、まだ傷が癒えていないんだ」
カエティスの包帯だらけの身体に指差し、トイウォースは告げた。
「……そうだね。そうさせてもらうよ」


